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「一人一人の育ちを見守る」私たちのレッスン

 一つの課題によって、子どもたちが習得することを期待する「スキル・能力」があったとして、

その課題を通して、子どもたちはすんなりと、その「スキル・能力」を身に付けることができるものでしょうか。

 

 子どもによって、思考の習慣(考え方の癖など)や、好み、得手不得手などが異なります。

 同じ課題でも、子どもによって受け取り方や、課題の働きかけは、異なります。

 仮に、課題ごとに「〇〇能力が身に付く」、と設定した場合、〇〇能力が見られる、と教える側がイメージしている作品や行動を教える側が示し「右に倣え」させる指導が増えると危惧しています。

 その結果、似たような作品、同じ所作や口調ばかりの形式的な発表が連なっていたら、それは、子どもの主体性に蓋をしていることに気がつかない、大人都合のレッスンになりかねません。

  また、結果を比べることで、その子が表現したいこととは異なる成果を強制してはなりませんし、そのことに鈍感にならないように日頃から意識しておく必要があります。

 

 我々は、大きく定めた「スキル・能力(つくる力・伝える力、など)」を育むために、様々な種類の課題を提示し、体験の場を提供しています。

 同じテーマ(課題)であっても、1年目に体験し、2年目にさらに取り組み、発展させることで、様々な育ちが見られます。(表現力が豊かになったり、少しづつ論理的な見方ができるようになったり、同じ作品のようでも制作手法が増えるなど、その育ちは一様ではありません。)

 

 私たちは、子どもたちが長く通ってくれることを目指しています。それは、表現力や創造力や伝える力など、大きな力を向上させるためであり、多様な種を撒くことで、その子なりの花が咲くようにと考えているからです。

 

 子どもの姿勢や口調などを指導(統制)しようなど、微塵も考えていませんし。むしろ、その子が集中してさえいれば、姿勢や口調などは瑣末なものだと考えています。

 

「その子の中で何が発生しているのか?」

 

「それがどう形作られているのか?」

 

という「形成的評価」の視点から子どもの成長を見ています。

 その上で練り上げたカリキュラムは、長く通っていただくほど、多様な成長に繋がる課題や活動を含んでいます。

 

 講師が、子どもを見守り、サポート役となることで、一人一人の能力形成を邪魔せず、支援することが可能となります。

 

 ある意味で

「大人が持っている、自分が受けて来た教育のイメージや、旧来の子どもの見方を”捨てる”」

これが必要になります。

 

子どもにとって不要ではないか、と思えることを大人が「捨てる」ことで、大人が変わり、

子どもたちにとって新しい「価値」「体験」「成長」を提供できると考えています。

 

 これからも、子どもたち、一人一人を尊重し、安心して自分らしく振る舞える場と、ICTを活用した多様な体験の機会を届けていきたいと思います。